幸侘学会

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初代：坂上宗仁（さかのうえ・そうにん）
在任期間：1756年～1785年（29年）
京都の禅僧の家系に生まれ、若き日に諸国行脚を通じて「侘びと幸せ」の結びつきに目覚める。宝暦6年、同志とともに「幸侘学会」を創立し、「幸侘の誓い」を制定。実践的かつ内省的な教えを重んじ、信仰と美の統一を図った。教義の基本となる『幸侘要録』の編纂を指導し、初代本部「幸侘館」の建設にも尽力。伝統と精神の礎を築いた。実直で温厚な人柄とされ、「道を説くより姿で示せ」の語録が今も信徒に伝わる。

二代目：坂上瑞岳（さかのうえ・ずいがく）
在任期間：1785年～1806年（21年）
宗仁の高弟。若き日に書と庭園美術に傾倒し、侘びの象徴である「静と構成美」を教義に取り入れた。支部組織「幸侘講」の拡充を推進し、信徒5万人の基盤を築いた立役者。寛政7年に制定された「幸侘修行五則」は、瑞岳の思想が色濃く反映されたもので、現代でも修行の基本とされている。文化3年には創立50周年を記念する「幸侘五十年祭」を主導し、芸術・儀礼の形式美を導入する契機となった。

三代目：坂上清廉（さかのうえ・せいれん）
在任期間：1806年～1833年（27年）
宗教と文化の融合を目指した。全国巡教「幸侘行脚」を主導し、教義を地方に広めるとともに地方文化との融合を推進。教義講義集『幸侘講話』の編纂を主導し、見た目とは裏腹に平易で美しい言葉で侘びの教えを広めた。教育と文芸の重要性を説き、寺子屋を支援。「言葉にも侘びの間がある」と説いた詩的教義が評判を呼び、女性信徒や若者の入信が増加した。

四代目：坂上玄静（さかのうえ・げんじょう）
在任期間：1833年～1866年（33年）
激動の幕末において精神的支柱となった指導者。黒船来航という国難の中、「侘び心運動」を発足。混乱に流されず、内なる秩序と美に目を向けることを呼びかけた。安政3年には創立100周年を記念する「幸侘百年祈念法会」を開催し、団結と再興の意思を強く表明。時代の荒波の中でも教義を守り通し、混迷にあっても信徒を導いた「静かなる剛者」と呼ばれた。       注:肖像は写真化したものです。

五代目：坂上一楓（さかのうえ・いっぷう）
在任期間：1866年～1910年（44年）
明治維新の混乱を経て復興を主導した立役者。青年信徒による「幸侘結社」を組織し、民間からの再建運動を起こした。教育への関心が高く、明治33年に「幸侘教育会」を設立、地域社会への貢献活動を活発化。本所の再建にも尽力し、都市部での信仰基盤を拡大した。信仰の近代化を進めつつ、格式と礼法を厳格に守ったバランス感覚は高く評価されている。

六代目:坂上泰然(さかのうえ・たいぜん)　　　　　　　　在任期間：1910年～1965年（55年）

20世紀の激動を生き抜いた泰然は、伝統を守りながらも社会に寄り添う姿勢で信頼を集めた。大正12年の関東大震災では「侘びの救援隊」を組織し、戦時中の困難な時期も「侘びの集い」を密かに続行。戦後、「侘びと再生の誓い」を発布し、精神の復興を呼びかけた。1955年には「全国幸侘大会」を創設し、昭和31年の創立200周年では「未来への幸侘宣言」を発表。晩年には組織改革と後継体制の整理に努め、次代に静かな炎を託した。

七代目:坂上静峰(さかのうえ・せいほう)　　　　　　　　在任期間：1965年～2024年（59年）

泰然の没後、教団内部から知識者。古典文学と茶の湯に深く通じ、「形式を守りつつ、内から変える」を信条とした。昭和53年には文化活動として「幸侘文化祭」を創設し、芸術と信仰の融合を試みる。1980年に「幸侘国際文化連盟（KWC）」を創設し、国際交流を推進。信仰の壁を越えた対話を促した。東日本大震災後の「侘びと希望の輪」プロジェクトでは、人道支援と心のケアの融合を示し高く評価された。現本部は彼の構想により再設計されたもので、格式と未来志向の融合を体現している。  弟子の中でも特に異才を放っていた少年・坂上孝太郎の志を見出し、晩年に「この者こそ、未来を導く光」と遺言。これにより、孝太郎は14歳で八代目に就任することとなる。

少年時代から静峰の講義や稽古に出入りしていた天才肌の少年。物静かで内省的ながら、鋭い観察力と深い共感力を持ち、わずか12歳で古文書の講読と和歌をたしなむ。静峰の晩年、彼に見出され、内々に後継指名されていた。2024年、静峰の逝去とともに14歳で就任。当初は若年への不安もあったが、清明な言葉と透明なビジョンで次第に信頼を集め、SNSや、インターネットを駆使した活動を展開し、今も新たな指導理念を築きつつある。